厚生労働省村木厚子事務次官(59)が1日に退任し、記者会見を開いた。郵便不正事件で逮捕後に無罪が確定し、5年前に復職。旧労働省を含め厚労省で2人目の女性事務次官を2年3カ月間務めた。記者会見では「やらせて頂いて本当によかったと言える大事な仕事だった」と、37年半の公務員生活を振り返った。

 雇用均等・児童家庭局長だった2009年6月、大阪地検に逮捕されて164日間勾留された。その経験から「だれでも身近な人に支えてもらわなきゃいけなくなることを実感した」と言い、復職後は「気持ちを込めて仕事ができるようになった部分はあるのかなと思う」と話した。11年6月からは、冤罪(えんざい)事件の当事者として法制審部会の委員も務めた。

 後輩の女性官僚には「非常にハードで家庭との両立とか難しいことはいろいろあるかもしれないが、その時々の100%で力を出せばいい」とアドバイス。退任後の身の振り方は「まっさらで白紙」とした上で、「政治(の世界)には行きませんので、それだけは広めておいて下さい」と笑いを誘った。(小泉浩樹)